アクセント記号が書いてあるとき、ただ強くしようとして音をぶつけるように吹いてはいないでしょうか。
静かでゆったりしたフレーズの中でsubit f のようなびっくりさせるための表現ではなくフレーズの頂点にするためのようなアクセントが出てきたら、ぶつける発音のアクセントはちょっとトンチンカンに聴こえてしまいますよね。
そもそもアクセントというのは大きく強く演奏するものではなく他から際立つように演奏するもの。
他から際立たせるために使える変化の要素ってどんなことがあるのでしょうか。
もちろん音量変化もひとつ。
そして音量変化にも大きくして際立たせる場合とは反対に小さくなることで注意を引くなんて場合もありますね。
それからクレッシェンドとディミネンドの頂点にすることで際立たせる音量変化のアクセントもあります。
さらに音量だけじゃなく、テヌートっぽくしたりなど長さを変えることも他から目立たせるため使えるひとつの要素。
記譜として他より長い音価で書かれている音符をアゴーギクアクセントがついているという言い方もするのですよ。
記譜で音価の違いとして書かれているわけではなくてもほんの少し隠し味で長めに演奏するようなアクセントはよく使われますね。
またピッチをほんの少し明るくする音程の変化で合奏に埋まらないよう浮き立たせるなんてこともあると以前の記事で書きました。
埋もれないというのはつまり合ってないということなので大きくズラすとおかしなことになってしまいますね。
そんな風にアクセントと言っても色んなパターンがあるもの。
ただぶつけるような発音にするだけではワンパターン過ぎます。
その場面場面の音楽に合わせて色んなバリエーションの表現を使い分けられるといいですね。