休符の後や長い休みの後の入り、発音の瞬間に音がかすれたり遅れたり飛び出したりせずにちゃんと出られるかどうかドキドキしますよね。
大きく思い切って出るよりむしろ静かに丁寧に発音したいときほどうまく出来るかどうか心配になるのではないでしょうか。
ゲネでちゃんと音が出たからってリードや唇がそのままの状態というわけはありませんし、本番中に作品と関係のない音出しをするわけにもいかないし、その瞬間にどうなっているかの出たとこ勝負にドキドキしてしまうというのは当然のこと。
そんなときに助けになるのは練習段階でどれだけ丁寧に発音について探求しておいたか。
これくらいの噛み具合で息の量やスピードがこれくらいで唇の締め具合がこんな感じで、というバランスのバリエーションをたくさん知っておくのはとっても役に立つのですよね。
とはいえ発音に必要な力や圧力はもちろん湿度や空間の吸音の具合や気温なんかに左右されるもの。
なので噛み具合や息の圧力などのバランスが色んなグラデーションで捉えられているとこのアンブシュア」という固定化した奏法ではなくその時々でやりたいことに適した奏法を選べたりするのです。
それには実際に吹いてみながら「もうちょっとで音が出るな」と感じつつ丁寧に音に触るように発音する経験をたくさんすること。
一か八か吹いてみて「あ、出た!」という発音をいくら繰り返しても何度もまぐれ当たりするだけでグラデーションはきめ細かくなっていかないのですね。
パンっと当てるような発音も実はその丁寧にちょっとずつ発音していく奏法が素早く行われているもの。
発音の練習をするときにぜひ参考にしてみてくださいね。