和声学や対位法、アナリーゼなどたくさん勉強会して知ってはいても「属七だからドミナント」としか思わなかったらせっかく分析できてもあまり意味がありません。
だって楽譜を学術用語に言い換えたからって演奏にはどう反映したらいいかわかりませんからね。
有吉尚子です。こんにちは!
楽譜を見ることのゴールはドミナントかどうかわかることではなくて、楽譜からストーリーを読み取ってその魅力を聴いてる人にわかるよう表現すること。
どんなお話が書いてあるのか、場面はどうなのか、登場人物がいるなら誰のどんな
セリフや動作なのか、暖かいのかヒンヤリしてるのか、楽しいのか憂鬱なのか、そういう作品の中身を想像して何を自分が感じるのかが大切。
そして見た楽譜から何をどう感じるかのヒントを得たり裏付けをするのが音楽理論です。
だから色んなストーリーや情景を思い浮かべられる経験があることが音楽のイメージ力の幅広さでもあるのですね。
そう考えてみると、記号の言い換え方しか知らなければいくら楽譜を眺めても表現の幅が広がるのは期待できませんね。
そういうファンタジーを心の中にたくさん持つために絵画やダンスなど他の分野の芸術に触れたり、あちこちに旅行したり、色んなジャンルの本を読んだり、人間関係から感じることをたくさん経験していることが活きてくるのです。
分析よりも先に大切なのが、人の心で何を感じるかなのですね。
頭でっかちになって理論武装せず心を豊かにしておくことも音楽をするには必要なことですね。