有名奏者なら上手に違いない!来日プレーヤーの演奏なら感動するはずだ!
そんな風に思ってはいませんか?
有吉尚子です。こんにちは!
例えば有名なプレーヤーが海外から来日したときに、やたらめったら速いテンポで吹き飛ばしてミスもたくさん、音色の変化もほとんどなければアンサンブルもぐちゃぐちゃ、そんな演奏に行きあったことはあるでしょうか。
素晴らしい演奏を聴かせてくれるプレーヤーもたくさんいますが、わたしは今までに結構たくさんそういう演奏も聴いています。
(写真は画像モデルさんです)
これは来日演奏家がダメだとかいう話じゃありません。
逆に自分の出来る限りの精一杯で作品と向き合って表現しようとするアマチュアプレーヤーの方にものすごく感動させられる演奏を聴かせていただくこともたくさん。
テクニックがあればいい、有名であれば素晴らしいはずだ、アマチュアの演奏なんて…そんな風に思っていたら実際に目の前にある演奏をちゃんと聴く機会を逃してしまうかもしれませんね。
作曲家が138で指定したテンポをスーパーテクニックで160で吹いた演奏にあなたはどんな音楽を感じるでしょうか。
きっとびっくりはするでしょうしテクニックに目が行ったりは当然するでしょう。
そしてそれは音楽的な刺激ですか?
運動神経やそうなるくらい繰り返し何度も演奏してきたという事実には刺激を受けるかもしれません。
それが自分にできないことならなおさらコンプレックスが刺激されて技術的なことや訓練にかけられた時間のことに興味を引かれるでしょう。
それでもコンサートをわざわざ聴きに行くのは他人の運動神経やキャリアを見に行くわけではありませんね。
そんなのは別に家でテレビでみたってたいして変わるものじゃないんですから。
そのひとの持ってる音楽や表現、どんな風に作品に向き合ってるかなんてことに触れたいのではないでしょうか。
音量やテンポなんていうわかりやすいことばかりに耳を向けるのではなく、もっと繊細なニュアンス変化や音色の違いなどに注目すること、
また良いとか悪いとか判断しようとせずにそのときにどんなものに出会えるのかオープンな気持ちで聴いてみること、
そうやって聴いてみると音程だリズムだテクニックだと自分が気にしていてわかってるポイントばかりではなくもっと深いところにあるものが聴こえてくるかもしれませんよ!