アマチュアの方のレッスン前、音出しを見ているとそのついでに心配な箇所を実際に必要なテンポより速くコソッと吹いてみるようなことがあります。
これ、不安を解消したいという気持ちは伝わってくるんですが、あまり上手く行ってなくて不安解消どころかさらなる不安の呼び水になってることが少なくないんですね。
有吉尚子です。こんにちは!
吹いてみるのは良いんですが、それは一体何のためなのでしょう。
最後の練習なのかもしれないし、出来るか試したいのかもしないし、無意識かもしれません。
実際に今の音出しはどんな目的でやったんですか?なんて尋ねてみると、「あまり深く考えていません」という回答がとても多いです。
心配なフレーズをレッスンや本番の前についつい確認のためにやりたくなる気持ちはとてもよく分かります。
とはいえそのフレーズが成功するための意図や手順も考えずに無意識的に音を出すのはあまりいいアイデアとは言えないんですね。
なぜかというと、どうしたらうまくいくか考えないで音を出す習慣を強化して本番でも同じことをしてしまいがちだから、というのがひとつ。
もう一つは上手くいかせるために何も意図しないというのは上手く行ってもそれは偶然であって再現性が無いから。
それに失敗したらそれが耳に残って本番でもそのイメージを引きずってしまいますよね。
さらに上手く行かなかった確認音出しのせいで焦って心に余裕がなくなってしまったり。
では確認にやってみたいときはどうしたらいいんでしょうか。
その答えのひとつは口で音を言えて全部の音をやりたいように出来るゆっくりなスピードでやること。
目的は音を確認することとそれをやるための手順を確認することなので、本番でやるインテンポじゃなくていいんです。
インテンポのときに考えたいことやしたい動きを思い直すためならそれが出来ないような高速でやれば混乱するのは自然なこと。
ちょっとだけ確認のために吹いてみるなんてときには頭に置いておきたいことですね。