学生のときに別の先生門下の友人にその先生のところではどんな教則本でレッスンを受けてるのか尋ねてみたことがありました。
有吉尚子です。こんにちは!
そのとき友人が使ってると教えてくれた教則本は、当時のわたしの目から見ると簡単すぎて音大も終わり間際にわざわざやるような本ではないと感じたんです。
だから「どうしてそれをやるの?」とさらに尋ねました。
その答えは「これをinCで読んで移調してやるんだよ。難しいんだ!」というお返事。
なるほど!と思いました。
ひとつの本でも使い方を変えて何度でも学びを深めたり新しいスキルを身につけることが出来るんです。
エチュードや教則本はどの課題にもこれを学び身につけるための、というよう狙いがあって書かれているものです。
スタッカートの練習とかフレーズ感を学ぶとか、色んなパターンがあるでしょうが、そういう意図を持って書かれた本も使い方次第で難易度や学びの濃度は全然変わります。
ただの音階練習でも指使いを覚えたり楽器の音を出すことに慣れたりする目的でやるのと、それをどう音楽的にするか考えながらやるのでは効果が違うのは当たりまえのことですね。
短い曲になってるエチュードでも、ざっくり一曲を通せたというのを目標にするなら30分もあれば出来るかもしれませんが、フレーズの流れをどうするか和声をどう考えるかなんてことまで含めたらとても1週間やそこらでは練習しきれないと思います。
その短い一フレーズをどう使って自分の何を変えたいのか、意識的になったことはありますか?
もしも何も考えずに有名なエチュードただを通して満足して次々進んでいたとしたら、かなりもったいないですよ。
せっかくやるなら何をどう使うかいちいち考えて練習を進めていきたいものですね!