有吉尚子です。こんにちは!
私はレッスンの時によく「どんな風に吹きたいですか?」と尋ねます。
お返事として多いのは「綺麗に吹きたいです」というもの。
ではそれはどんな曲のどんな場面でどんなところが綺麗なんですか?
と質問すると、結構あいまいなイメージなのが判明したりなんてことも。
どんな作品のどんな場面でもただ単に「美しい演奏」しかできなければショスタコーヴィチの交響曲やストラヴィンスキーの室内楽作品なんかはどう演奏するんでしょう?
音質がクリアで輪郭があって・・なんていう好きで目指したい音のイメージはもちろん大切です。
それに加えて、音楽をするなら美しい以外の激しい表現や絶望的な表現やスケルツァンドな表情や、その他いろんなニュアンスが必要ですね。
激しかったり苦しかったりな表現と比較した時に綺麗な表現はその魅力が際立ちますが、いつも綺麗なだけではいつも無表情で面白くない美人みたいなものかもしれません。
練習する時に「どの曲のどんな場面でどういうニュアンスを出したいから」というやりたい表現の使い所がはっきりしているでしょうか?
「とにかく綺麗にスケールをやる」なんて曖昧な練習は残念ながらあまり意味がないのでたまには振り返ってみるのも良いかもしれませんね!