アレクサンダー・テクニーク 練習 身体の仕組み

アンブシュア筋

アンブシュアについてレッスンで質問しても先生の答えが「こんなイメージで・・」「ホースの先に例えると・・」なんていう風に感覚的でイマイチよくわからなかった、そんな経験をしたことありますか?

有吉尚子です。こんにちは!

アンブシュアって舌や歯など外から見えない口の中のことだから伝えるのになんとなくの感覚になってしまいがちですね。

しかも口の中なんて個人差が大きすぎてこれといった正解なんて一つに絞れるようなものではありません。

それでも、どの楽器でも共通して言えることが実はあるんです。

それは、唇はすぼまって閉じる働きをして開く時はほっぺたやらの周辺の筋肉で引っ張られて開くだけ、ということ。

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唇を全体的にすぼめる、とがらすというのは口輪筋という口の周りに一周してる筋肉です。

それから下唇を閉じる方向に持ち上げるのがオトガイ筋という、アゴの梅干しになる筋肉です。

唇を閉じておくために働けるのは、実はこのふたつだけ。

あとのほっぺたやアゴにあって唇に関係する筋肉は全部、横や上や下から唇を引っ張って色んな調整をします。

アパチュアを作るのも、リードをくわえるのも息が漏れないように口を締めておくのも、すぼまって口を閉じる口輪筋

これを適切に働かせる代わりに、左右から引っ張って上下からの閉じる圧力を増そうとすると、ほっぺたが疲れます。

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管楽器奏者はほっぺたやらと唇のいくつもの小さな引っ張り合いのほんのわずかの動きでマウスピースやリードへかかる圧力のバランスを変えて音色や発音をコントロールしてはいます。

とはいえ、最初のセッティングの段階で唇の閉じようとする動きを邪魔するようにほっぺた周辺で唇を引っ張り続けるのは、ムダにアンブシュアが疲れる原因の一つになってしまうこともありますね。

またシングルリードの方に多い顎関節症は、本来唇でするはずのリードへの圧迫を咬筋など歯をかむ筋肉で長年代用したときに起こりがち。

噛むから歯で唇が切れて、それを予防するために紙を巻くと紙は響きを止めるものなので鳴りが悪くなる、だからさらに力んで噛み…という悪循環も。

まずは横から息が漏れないこと、必要なリードへの圧力やアパチュアが作れること、それができる程度に唇がすぼめられていれば充分です。

その上で、細かいコントロールについて考えて行きましょう。

何が必要で何が不要か、一度整理してみると奏法がラクになるかもしれませんよ。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。

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