良い姿勢というのは「気をつけ!」的な背筋まっすぐなものではない、というのは以前お話しましたね。
有吉尚子です。こんにちは!
実は「気をつけ」がブレスの邪魔をするってこと、知っていましたか?
一体どういう仕組みなんでしょうか。
これはその胸を張ったりなどの動作への思い込みから肩甲骨など腕構造を後ろに引っ張ったりムダに腰を反らしたりなど色々要らないことをしてしまうからです。
この例に挙げた腕を後ろに引っ張ったり腰を反らしたりというのがブレスを妨げる動作なのですね。
どう邪魔するかというと、腕を後ろに引っ張る筋肉は背中に広くついているので息を吸い込むときに動きたい肋骨や胴体の脹らみを制限してしまうんです。
もうひとつ、腰を必要以上に反らすのがどうしてブレスの邪魔をするのでしょうか。
腰を反るということは上体が後ろへ重心を傾けるということです。
そのままだと後ろへひっくり返ってしまいます。
ひっくり返らないようにするには、どこかの筋肉が頑張って重心を引っ張り戻さなければなりません。
このときに重心を引っ張り戻すのがお腹の側についてる複数の筋肉群。
これ、息を吸うときにふくらみを邪魔しないように柔らかくゆるんでいたい筋肉です。
ゆるんでいたいときに上体を引っ張り戻すというお仕事をすでにしていては縮んでこわばっています。
明らかにジャマですよね。
そして息を吐くときは胴体回りの筋肉が柔軟に働いて息を外へ送りたいのに、その胴体回りのお腹の筋肉はすでに上体のバランスを引き戻すということをして頑張ってるわけですから息を吐くために充分作用することができません。
という仕組みで腰を必要以上に反ると吹きにくいし吸いにくい、ということが起こるのです。
一見関係なさそうな動作がお互いに関連しているというのは人体のふしぎですね!
試しに意図的にムダに反って吹いたり、それをやめたり、腕を極端に後ろに引っ張ったり戻したりして音の違いや吹奏感の違いを比べてみるとおもしろいですよ!