脚をどうしているかで鳴りが変わることを知っていますか?
有吉尚子です。こんにちは!
手指や呼吸に関係する筋肉が演奏に影響するのは明白ですが、脚についてはピアノやハープ奏者でないとあまり意識することがないかもしれませんね。
実は脚をどうしているかで響きが変わるので鳴りや音質にも影響があるものなのです。
どういうことでしょうか。
響きというのは物理的な振動のことなので、振動がたくさんの場所に伝わると音量が大きくなったり含まれる倍音が増えて音質が厚くなったりするのはわかりやすいことですね。
ホールの壁や天井などに共振させるなんてアイデアはよく聞くと思いますが、骨など人間の身体も共振します。
そのときに筋肉が不要な力みをしていると振動をムダに止めてしまいます。
「脚をしっかり踏ん張って!」「支えをちゃんとして!」
というのは固まるのではなくて動き続けることなんだという意図が伝わらないと無駄な力みになり響かない奏法を作ってしまうことも。
また反対に脚をブラブラさせて不安定な状態にしておくと、今度は姿勢のバランス調整のために背中やお腹やあちこちの筋肉が働かなければなりません。
それは脚がバランス調整に参加していれば不要なはずの働きで、筋肉は働けば縮まり振動を止めるのでブラブラにさせておけばいいというものでもないのです。
ではどうしておくのが一番いいのでしょう。
演奏中には出したい音色によって色々に姿勢を変えますし、その度にぴったりな姿勢を探しているヒマなんかありません。
瞬間的に反応が必要なときにはカチカチに固まって踏ん張っていても、ブラブラにゆるんでいても必要な動きにすぐに反応できませんね。
奏法の必要や周りとのコンタクトの必要によって、すぐにどんな姿勢にでも動ける状態
が一番無理がないと言えるのではないでしょうか。
「座っていてもすぐ立てるように」なんて吹奏楽のレッスンでたまに見かける指導はそういう意味で効率的だと言えます。
浅く座るというのは見た目がカッコいいからというわけではなく演奏するときに有利な状態を作っておけるという意味があるのですね。
何となく伝統的だから、なんて理由で指示をされても受け手は意味がわからないので納得しにくいかもしれませんがなぜそれが必要かを教えてもらうと飲み込みやすくなりますよね。
ぜひ取り入れてみてくださいね!