すごい演奏家は良い教育者である、これは本当だと思いますか?
有吉尚子です。こんにちは!
レッスンや教育活動を演奏の仕事よりも一段下がるものとしてとらえてる方は少なくありません。
そして優れた演奏家は良い先生だと思い込んでしまってる方もまた同じく少なくありませんね。
でもこの演奏と教えることは全く別のことだと思います。
演奏も音楽講師も両方するという方は感じたことがあるのではないでしょうか。
自分はなんとなく練習の仕方や楽譜や身体の仕組みなどはわかっていて演奏できるけれど、いざ別の誰かにそれを伝える必要が出てきた時にはっきり言葉にできなかったり、それぞれの生徒に合う奏法や伝え方を工夫できなかったり。
演奏の仕方についてはレッスンで学ぶことができるけれど誰かにそれを伝える方法まではなかなか学ぶ機会がなかったりしないでしょうか。
だから必要が出てきたときに困ってつい自分が受けてきたレッスンをそのままやってしまい、自分とタイプの違う生徒さんにはさっぱり伝わらないということが起きたりします。
これはどちらかをできたらもう一方も自動的にできるというようなものではなく、別の専門分野として捉えておく事が必要だと思います。
自分の演奏のために探求していく作業はどんどん掘り下げて専門化していく作業です。
反対に人にそれを伝えるときには噛み砕いてわかりやすくし相手が受け取れるサイズにして渡す、という全く逆の作業なんですね。
どちらの作業が優れているとかの問題ではありません。
どちらも上手な人もいますが、片方だけが得意な人もたくさんいます。
教えるスキルを伸ばす必要があると感じた時は、演奏の経験やスキルはもちろん役に立つし必要なものですが、コミュニケーションについて学ぶということも視野に入れるといいかもしれませんね!