前回の記事では音程が変わる時、隣の音に行くよりも離れた音に行く方がエネルギーが必要で、そのエネルギーの違いは盛り上がり方の違い、ということでしたね。
有吉尚子です。こんにちは!
これってちょっと前に流行ったアナと雪の女王のサビフレーズでわかりやすい例があります。
歌詞が「ありのーままのー」サビの部分。
C -durにするとAHC-GGD-になります。
「ありのー」のAHCは普通に隣り合った音ですね。
「ままのー」も隣の音に進むならHCD-でもおかしくはないです。
でもそれだとオリジナルのメロディーよりドラマチックさが減りますね。
行き着く先のちょっと離れたDに跳躍して向かう方が「ありのままで生きていくんだ!」というエルサの決意のワクワク感が出ます。
このフレーズには他にもいくつか盛り上がる仕掛けがあります。
最初のAHC-に対して跳躍しながらより高い音に向かうGGD-のフレーズですが、これが例えば跳躍してはいてもスタートが同じAの音でAHD-だったらどうでしょう?
さらっとした印象になりますが別にありですよね。
でもこれ、離れた音に進む跳躍フレーズはスタートの音を最初のAより低いGで始めています。
AよりGの方が行き着いた先の高い音Dに対してよりインターバルがあります。
より遠くへ行くためにエネルギーを感じさせますよね。
そしてGから始まってただ単にGHDと少しずつ跳躍するよりもGGD-とGを2回やって低さをキープしたまま一気に5度跳躍してより躍動感を出しています。
単純な旋律でほんの少しの解説ですが、これだけでも説明してみると結構納得できるものではないでしょうか。
ではそのアナリーゼを演奏に反映させるにはどうすればいいでしょうか。
次の記事を見るまでに考えてみてくださいね!