有吉尚子です。こんにちは!
音大出身の方や小さい頃から音楽を勉強してき方で意外に多いのが
「アナリーゼのやり方は知ってるけどそれが何の役に立つかはわからない」
というパターン。
そこについている和音が何度のどの転回形かも、それがどんな役割かも知っていて、なぜそんなことが起きるのでしょうか?
これ、以前も書きましたが実際の演奏にどう結びつけるかを教わっていないからなんですね。
ただ単に分析だけできてもその意味がわからないなんてもったいない!
分析は作曲者からのお手紙である楽譜から情報を受け取るためにするものです。
楽譜には音符や表情記号や拍子以外にも行間から読み取れることがたくさん。
そして読み取った先のゴールは実際の演奏にどう活かすか、ですよね。
せっかく分析ができたとしても曲の構成や構造ばかり気になるようじゃ、音楽の本質から離れてどんどん机上の学問になってしまいます。
それでは実際の曲で見たときに受け取って演奏に反映させられる楽譜からの情報って、具体的にはどんなものがあるのでしょうか。
楽譜に書いてあることって音符や表情記号や拍子やテンポだけではありませんね。
例えば。
和音が書いてあればそこにはそれぞれの和音ごとの色合いの変化とその変化によるストーリー展開があります。
リズムが書いてあればモチーフやフレーズの向かう先がどこなのかとか、どんなテンポ感なのかとか、テンポ感によって作品のそもそも持ってる性格なんかもわかります。
また、どこがどんな風に変化させられているのか、
もしくは同じ要素がどう繰り返されてるのか、
ということには作品をどんな風に展開したいかという作曲家の意図がとてもよく表れています。
趣味でやっている方は忙しいし自分でモチーフの展開や和声の分析をするのはなかなか大変ですが、
最初のテーマ部分と似たところはどこにあるかな、またガラッと雰囲気が変わるのはどこかな、なんて探すと対比で見られる素材が見つかったりします。
分析が得意ではない方でもそういうところに注意してどんな違いがあるのか見てみると楽譜が少し立体的に見えてくるかもしれませんね!