有吉尚子です。こんにちは!
前回の記事で筋感覚や痛みや圧迫感はずっと使える奏法のフィードバックにはなりえない、ということでした。
では何を頼りに奏法をコントロールすればいいのでしょうか。
私たちが演奏技術を磨くのは、当然ながら音楽のためですね。
出ている音がどうなってるか、ということを判断の基準にするのが一番おすすめです。
どんな音が出したいのかがまだ明確でない始めたばかりの初心者さんは、つい「正しい奏法」を目指して筋感覚に頼ってしまいます。
だからどっちへ進みたいのかという望みを引き出しつつ、圧力や吹き込みの重さを求める迷宮に入り込んでしまわないようにサポートしてくれる人の存在って大きいですね。
動作そのもののためでなく音楽のために奏法のコントロールが必要なんだということを忘れないでいたいものです。
また音を指針にと言っても色々注意するポイントがあります。
ただ
キレイな音が出た
音量が増えた
高い音が出せた
ということだけでは音楽をするのに用は足りませんよね。
音楽の中では大きな音も小さな音もきれいな音も激しい音も必要です。
吹き込みの重い仕掛けで大きな音にはなったけれど、小さい音はかすれてしまって全く出ない・・・
なんてことになってはその奏法にこだわる意味がありません。
音を聴いて奏法を判断するときに、ひとつの音がきれいに出るかどうかではなく、
どんな音域でどんな表現でも柔軟にできるかどうか、という自分の音の聴き方のポイントも気にしておきたいですね!